「あ…ごめん。私、もう行かなきゃ」

仲間のひとりで、私より2才上のOLがそう言う。

「えーなんで?」

「彼が、今夜は帰ってきて欲しいって…だから、ごめん!」

仲間の内、唯一の彼氏持ちだ。

見た目も…この中では一番いいだろう。

私たち3人は、手を振ったけれど、彼女の姿が見えなくなると、

「なんかさ、彼氏持ちって可哀想だよね」

私はそう切り出した。

仲間2人がリアクションに困っているようなので、

「だってさ、こうして仲間で飲んでるのに帰ってこいなんて、おかしくね?私だったら、そんな男は絶対にムリ!」

男と付き合ったことなどないが、私はそう言い切った。

すると、

「確かに…。そう言われたら、そうかも?」

「私らには理想のアイドルが居るんだから、無理して現実のワガママな男と付き合う必要ないもんね!」

2人が同意してくれるので、スカッとする。