先輩、優しい。 あたしみたいにうざったいやつのこと、気にしてくれたんだ。 逆に胸が苦しい。 「先輩……」 「今日、食券、買いそびれた。弁当、余ってたら、食わせて?」 なにそれ。 「えっ」 先輩が驚いて声を上げた。 でも一番、驚いていたのは、あたし。 ぽろぽろと涙が勝手に出てきて、とまらなかったからだ。