最後に恋した一か月


「先輩っ!? どしたの!?」


 みじめだ。

 最後まで、ちゃんと浅田の憧れの先輩を演じていたかったのに。


「な、なんでもないから……っ!!」

「なんでもないわけないじゃん!! だったらどうして泣いているわけ!?」


 それは……ッ!!


「ね、浅田」


 あたしは涙を拭った。


 そして。


 浅田に向き直った。