*** あたし、大丈夫? だって、全然映画の内容、入ってこない。 隣に座る浅田に。 ……こいつのせいで。 意外な一面ばかりで。 今日だけでも、あたしの知らない浅田がいっぱいで。 こんな気持ちになったのは初めてだったから。 って! キャアァァァッ!! 嘘、うそでしょ……!! 急に写り込んできた長い髪の女性の怨霊!! あたしは怖くなって目をつぶる。 こんな、やばいやつ? この映画、見てられないっ!! もう、あと一時間くらい、ある。 浅田もいるし。 映画館を出られない。 だけど。