そう言われてみると、愛奈さんが春多くんに恋愛感情を持ってる感じは確かに無かった。

でも、間を取って提供って何?どの辺が間なのか分からないし。
考えれば考える程、モヤモヤしてムーッと頬が膨らんでいく。



「春多くんも春多くんだよね!あげても良さげだったじゃん!」


教授とか医者のトップの人とか、頭のいい人の考える事は理解できないけど、春多くんも意味分かんない。



「あぁ?直接するわけじゃないんだし……て、嫉妬してる珠里さん可愛(かーわーいー)いー」

「……っ、」

「後、さっきの。ふはっ、俺のが他の女の中にってやつ。主語無いとエロいよな」


後ろから顎をクイッと持ち上げられて、唇にキスを落とされる。



「あ、ぁ……だ、だって、春多くんのあげちゃうつもりだったんでしょ?」

「今までどんなに拒否っても駄目だったんだぜ。それで解決するなら、俺の遺伝子くらい提供しても何の問題もないけど。んー……」


真面目な話をしている筈なのに、合間に軽い啄むキスが止まないから。心臓が大きく脈打ちだして、落ち着かなくなってくる。



「もう一度言ってよ?俺のが他の女の中に入るのは嫌だってさ」

「……っ、はる、た…くん」

「珠里さんが嫌なら提供なんてしないから、安心して」


ねっとりと甘いキスがふり注ぐ。
片方の口角だけ上げて意地悪そうに笑うから、春多くんが好き過ぎてどうしていいか分からなくなる。