俊也さんと一緒に飲もうとしてたワインを開けた。

グラスにも注がずに、直接口をつけて勢いよく飲み干した。鼻にツンときて口の中に渋味が充満していく。



「うぇっ………」


きっと、ワインは一気飲みするものじゃないんだろうな。

次に開けたのは、彼が好きな瓶ビール。缶より泡が美味しいらしい。コップも冷やしてたのにな。
私は苦くてビールそのものが苦手だけど。それも、一気に飲み干した。



「なーにが、レスよ……妊娠までさせて、仲良しじゃん…」


だらしなく口元からビールが垂れるから、洋服の袖でグイッと拭う。



「子煩悩なパパになりそうなのに、離婚は時間の問題なわけぇ??」


ふらふらと立ち上がり冷蔵庫を開けて、自分用の甘い缶チューハイを手に取って口付けた。



「……わ、私……捨てられるんだろうな……うぅっ」


目頭が熱くなって、ボロボロと涙が溢れ落ちていく。

ただ、好きになっただけなのに。好きだから、付き合いたかっただけなのに。どこで間違えたんだろう──?



「もっと、もっと……飲まなきゃやってられない」


こんな惨めな思いするなら、真木ちゃんと飲みにいけば良かった。