「なんだよ、その顔。あんたのお腹の子は俺の子だろ?」
あの時、子供ができて頭真っ白だった。
春多くんが"俺の子でいいよ。"って言ってくれてどれだけ救われた事か。
春多くんの存在が無かったら、私もお腹の子供もどうなっていたか分からない──。
「うん、春多くんがいい」
「珍しいな、あんたにしては素直だな」
春多くんのケーシーの裾をギュッと掴んで引っ張った。
「春多くんがいいの」
「へー、そんな俺がいいの?」
「春多くんじゃなきゃ……やだっ」
目を細めてちょっと意地悪そうに笑う春多くんに。胸が締め付けられて、目頭が痛いくらいに熱くなる。
いつからだろう。
私、春多くんのこと、好きなんだ。
凄く、凄く好きなんだ──。
「はる、春多くんが、好き……」
私の気持ちと一緒に、目に溜まった涙ボロボロと溢れ落ちていく。
「好き、好き、好き、……は、春多くんが凄く大好き……うぅぅぅぇえーん」
「ん、んん?」
目の前にいる春多くんの幼い瞳が大きく見開かれて、頬も赤く染まっていくのが見えた。



