将来に私とお腹の子を入れて貰える事がこんなにも嬉しいなんて。
私、どうかしちゃったのかな。
目頭が熱くなって、鼻がツンと痛くなる。
「お、おいっ。どうした?」
「う、ううぅっ……」
「は?嘘だろ?なんで泣いて……って、俺?」
「ち、違……うぇっ」
焦ったような声が耳に聞こえてくると同時に、ふわりと抱き締められる。
春多くんの匂い、好きだな。どうしてこんなに落ち着くのかな。
「ごめん、本当に分かった。忙しくても、なるべく時間合わせたり努力するから」
違うよと首を小さく横に振ったけど、春多くんは慌てていて。小さい子供を宥めるように、頭をよしよしと撫でてくれる。
ねぇ、春多くん。ここ、病院の待合室なんだよ。受付の事務の女の子や、周りの妊婦さんの注目の的になってるよ。
この年で泣いている私も恥ずかしいけど、こんな所で抱き合っているのは、もっと恥ずかしいんじゃないかな。
でも、ボロボロと涙が溢れて止まらないから、私もこの子の背中にギュッと手を回した。



