「うーわー、バカップルイチャイチャ猛毒ですね」
「和泉も早く彼女出来るといいな」
「うるっせーよ!ていうか、春多大袈裟じゃね?珠里さん全然太ってないじゃん」
「……和泉くん」
「馬鹿かお前。妊娠なんていつ何が起こるか分からないんだぞ?体重が増え過ぎて妊娠糖尿病、高血圧症候群になる可能性だってあるんだから、妊婦のリスクは低い方がいいに決まってるだろ?」
確かに助産師さんが妊娠高血圧とかそんな感じの事を言っていた。
春多くんうるさいと思ってたけど、私のために考えてくれてたんだよね。
「まぁ、そうだけど……。妊婦さんのストレスになり過ぎるのもよくないと、俺は思うけど」
「だよね!!和泉くんっ、優しい!!」
「……あぁ??和泉、お前さぁ、来年の国試受かったら医者として働き始めるのによくそんな無責任な事が言えるよな?だから危機管理能力が甘いって指導されるんだよ。少しでも疑わしい箇所があったらしっかり調べあげるべきだろ?その小さな見落としから医療事故が起きて医療訴訟に繋がってくんだよ。それとさ、俺の珠里さん口説くのやめてくんねぇ?」
「ひぃ、悪かったよ。で、でも、珠里さんの事は口説いてないから。そこだけは信じて」
「だから気安く珠里さんって名前で呼ぶなよ!」
うわー。
なんか、和泉くんごめんなさい……。
───珠里と春多の日常───



