(指輪渡されてすぐの話)




豪華な食事にお姫様のように扱われて、まるで夢の中にいるようだった。



──あんたが好きだよ。俺と結婚してよ


左手の薬指にキラキラと光る指輪。
春多くんからプロポーズの言葉とともに貰った婚約指輪。





「鴨ちゃん、それどうしたの!?」

「えへへ。実はー、春多くんに貰っちゃったー」


仕事帰り。久し振りに真木ちゃん外に食事に来ていた。今回は居酒屋じゃなくて、少しお洒落なイタリアンだ。

春多くんから貰った指輪は仕事中はつけられないけど、プライベートで出かける時は嬉しくてつけている。可愛いし、凄く気に入ってるし。



「えー、凄ーい!リボンとか可愛いデザインじゃん!!合わせやすいし」

「私も気に入ってるんだ。結婚してっ言われて渡されたから感動して泣いちゃったよ」

「うわー、それ渡されてプロポーズ?羨ましいんだけど!しかも、凄い高そうだし!!」

「えー、いくらは分かんないけど、✕✕✕✕(ブランド名)の箱に入ってたかなぁ?」





「……へぇー。✕✕✕✕の指輪って、100万くらいするんじゃない?」

「…………え!?」