「ひゃっ……なんですかっ」


急に後ろからお腹のあたりに腕を回されて、ギュッと抱きつかれたからびっくり。


「んー……湖依にギュッてしたくなった」

さっきまでソファでスヤスヤ寝てたのに。


「……甘えちゃダメ?」

「ダメですっ。今お仕事してるので」


「俺のこと構うのがいちばんのお仕事でしょ」

さらにギュウッと抱きついてきて、全然離れてくれそうにない。


仕方なく未紘くんがくっついたまま窓拭きを再開することにしたんだけど。


「あ、そーだ。湖依にこれあげる」


渡されたのは手のひらサイズの丸い透明のケース。


中には錠剤のようなものが入ってる。