これ以上ダメって見つめると、未紘くんはすごく物欲しそうな顔をして。


「そーゆー可愛い反応さ……逆に煽ってんの気づいてる?」

「ふぇ……?」


「まあ、今日いろいろあって疲れただろうから。今はこれくらいにしてあげる」


わたしを抱きしめたまま寝ちゃった未紘くん。


すぐにスヤスヤきもちよさそうな寝息が聞こえてくる。


わたしこんな状況で寝られるかなぁ……。


発情まではいかなかったけど、心臓がトクトクいつもよりちょっと速く動いてる。


出会ったばかりの男の子と、こんなふうに一緒に生活することになるなんて。


少し前のわたしじゃ、ぜったい考えられなかったこと。

それに相手が運命の番だなんて。



これ以上余計なことを考えないように、早く意識が飛ぶようにギュッと目をつぶって――その日は眠りに落ちた。