今はこの温もりにすごく安心して、わずかな力で抱きしめ返すと。
「ご、ごめんなさい。わたし何も言えなくて……」
「湖依は謝ることないよ。何も悪いことしてないし、言い返さなかった湖依のほうがずっと大人でしょ」
未紘くんがいなかったら、情けないけど泣いていたかもしれない。
「そういう湖依の強いところにも俺はすごく惹かれてるよ」
「っ……」
「さっき言ったことに嘘はひとつもないから。湖依は誰にも負けないくらい魅力的な子だって、そばにいる俺がいちばんわかってるから」
未紘くんはずるい。
不意にこんなかっこいいことさらっと言うから。

