「……俺と未紘ってさ、好きなものすごく似てるんだよね」
耳元でささやくように低い声が落ちてきて。
距離は相変わらず近いまま。
「あと性格も似ててさ。自分が欲しいと思ったものはぜったい手に入れてそばに置いとくの」
「あのっ、近い……です」
未紘くん以外の男の子とそんなに接することがないから、男の子に対する苦手意識が発動しちゃってる。
控えめに天音くんの身体を押し返すと。
「ちょっと近づいただけでそんな真っ赤になっちゃうんだ? ……可愛いね」
顔をひょこっと覗かれて、髪にスッと触れられて。
「未紘のものにしておくの……もったいないな」
「ひっ……ちょっ、まっ――」
このままだと危ないかも……と思った直後。
急に後ろからものすごい力で抱き寄せられて、視界も大きな手で覆われてしまった。

