桜が満開の4月。 わたし硴水(かきみず)湖依(こより)は高校1年生になった。 新しい生活に期待で胸が高鳴る……はずだったのに。 気分はどんより落ち込んでる。 「ほら、湖依! いい加減起きなさい! 説明会に遅刻しちゃうわよ!」 「うぅ……行きたくない……」 「いつまでもそんなこと言ってないの! 早く下に降りてらっしゃい。朝ごはん用意してあるから」 さっきからお母さんとこんなやり取りを繰り返してる。