『始まったふたり。』最後から、始まる。ー番外編ー


「校歌もこのジャージも懐かしいね」



オレの背中で歌笑が言う



「ついこの前のことだったのにな」



「杉山、結構歌えてなかったよ」



「バレた?
結構覚えてないかも、オレ
…
歌笑の声聴けたから、いい」



耳元で歌笑が笑った



「杉山…」



耳元で聴こえる

歌笑の声



「なに?」



「…颯(そう)…」



「え…」



耳元の歌笑が

少し熱くなった



それとも

オレの耳かな?



「もぉ言わない」



「もぉ1回言って!よく聞こえなかった」



ホントは

すごくよく聞こえてた



颯

オレの名前



歌笑が

初めて呼んでくれた



「杉山が、え…とか言うから
名前間違ったと思ったじゃん!」



「ごめん
なんか、嬉しかったから…」



「じゃあ、また今度ね」



「なんだよー」



熱くなった耳に

ずっと残る

歌笑の声



颯



好きな子が

すぐ近くにいる幸せ



歌笑

好き