『始まったふたり。』最後から、始まる。ー番外編ー


「ねぇ、歌笑」



「ん?」



グラスから離れたら

歌笑の唇が潤っててドキドキした



「な、なんかさ…
照れるんだけど…
…
歌笑に会うの久しぶりだし…
ずっと歌笑に会いたかったし…
歌笑、前よりかわいくなった気するし…」



「…」



え…

オレだけ舞い上がってる?



「ごめん…なんか…
オレだけ盛り上がりすぎた」



歌笑

楽しくないかな?



ん?

なんか顔赤い?



「歌笑、もしかして具合悪い?
なんか、熱あるとか…?」



歌笑に近付いたら

また歌笑が離れた



なに?



「え、なんか、ごめん…
歌笑、どーした?」



さっきから

オレだけ空回ってる



「杉山が…
杉山が、歌笑って呼ぶから…」



「え?」



「杉山が歌笑って何回も呼ぶから
恥ずかしかったの!」



「え?だっていつもそぉ呼んでたじゃん」



遠距離になって

毎日電話して



いつの間にか

歌笑って呼んでた



「直接呼ばれると
なんか、照れるんだけど…」



そー言えば

歌笑はまだ

杉山って呼んでる



「え…
なんか、スミマセン…浅倉(あさくら)さん」



歌笑が笑った



歌笑の笑顔

安心する



「だろー!
今更、浅倉とか…
逆に恥ずかしくて呼べないし
…
歌笑も呼んでよ
オレのこと、名前で…」



「えー…恥ずかしすぎる」



歌笑

めちゃくちゃ照れてる



かわいい



「呼んでよ…ハイ…どーぞ…
お願いします」



「…」



変な沈黙があって

ふたりで笑った



「まぁ、いいや…
歌笑のタイミングで、呼んでよ」



「うん」



そぉ

こーやって

電話ではいつも楽しく話してた