そんな思いがたくさん涙のように溢れ出す。


「篠塚」じゃなくって、ちゃんと「恵」って呼んで欲しい。



罵声も、暴力も振らないで仲良くしたい。




私が話せたら………良かったのかな。



「篠塚さん、大変な思いをしてきたのね………



これからは私が守るから………」



「………あっ………りがと……う……ござい゛……ます……っ」



私がお礼を言うとギュッと私を抱き締めてくれた日々谷。



初めて、暖かい体温を感じられたのかもしれない。



これからは一人じゃない。


心強い味方が出来たんだ。



スーハーと深呼吸して心を落ち着かせる。


「……………頑張るのよ」


ポツンと呟いた日々谷の声は聞き取れなかった。


だけど…………きっと私を応援してくれるはず。



────ありがとうございます


そう心の中で唱えて私を抱き締める日々谷を抱き締め返した。