「こいつトロ~。さっさと動けよ。」




そう言って右脇腹を蹴られる。




「あーあ。愛莉やり過ぎ。


玩具になんないじゃん。こういうのは後々壊れちゃいけないんだからさー。」




私を玩具呼ばわりすることには慣れたようなまだ心が傷つくような、



そんな半端な感情。



私にだって名前がある。



篠塚 恵。(シノヅカ メグ)



対して思い入れのない、どこにでもある名前。