鼻がつんざくような異臭を感じ取った瞬間、私の意識が一気に浮上した。 余りの臭さに顔をしかめる。お母さん、なんか焦がした? もう、と抗議の声をあげようと、目をゆっくりと開けるとあまりの惨状に全身が悲鳴をあげた。 「ひッッ」 息が声になり、漏れる。 自分の部屋で寝ていたはずなのに気付けば私は暗い路地のような場所にいる。 ボロボロの服を着たまま死人のような顔で歩いている。