二人の後をついていくと鼻に腐乱臭が漂って来た。 宿屋を出て10キロ程歩くと野犬の吠える声と一面灰色の世界が私の世界を変えた。 「うッ」 吐き気をおさえられずえずいた。 夢だと思っていた。目覚めた時の全てを。 小説の中に入り込んだんじゃない。 ここで、生きてるんだ。 家が燃えてしまったのか、半分焦げて真っ黒に染まっている家の下で少女が死んでいるであろう赤ん坊を抱いていた。