もう一人は疑心暗鬼そうにこちらを窺っていた。 大柄で筋肉質銀髪より身長は低いものの日本人よりは遥かに高く赤髪がその悪人顔にマッチしていた。 さらに不思議なことに会話が通じるのだ。 じっと見ていると流石に気まずくなったのか眼を反らされる。 「お前いく宛はあるのか?」 残念ながらこの状況を見る限りないし、私も途方にくれている所だ。 「ありません」 答えるとその人たちが顔を合わせて神妙に頷く。