この人だ。私を助けてくれたあの優しい声


でも、怖かった。先程の光景が脳裏に焼き付いて離れない。


もしかしたら誘拐犯かもしれない。まだ、呑み込めていない現実にそんな事を考える。


私は恐怖に飲まれそうになりながら怯えきった心を必死に隠しつつ質問した。



「あのここはどこですか?」



この質問の答えでこの人たちが味方かどうか決まる。


一拍おいた後長身の男が口を開いた。