友達の彼氏だと思ってた同級生は、私を溺愛する最強総長さまでした。~ONE 史上最強の暴走族~

由奈の話を聞いたら、もしかしたら記憶を取り戻すきっかけになるかもしれない。


わたしと一之瀬くんの関係に迫れるかもしれない。


――でも。


「その代わり、1つ条件がある」


意地悪く笑う、由奈。


その条件とは――。


「もし、あたしが優勝したら…。今すぐに彪雅と別れて」


由奈はわたしを指さし、そして睨みつける。


「当たり前でしょ?大事な情報を教えてあげるのに、慈美になにもリスクがないなんて不公平じゃない」

「…そんな」

「この条件を呑めないなら、このまま辞退して帰ったら?でもそんなことしたら、もう二度とあたしが知っていることは、慈美には話さないから」


そうして、わたしを突っぱねる由奈。

由奈は、こうと言い出したら絶対に聞かない。


わたしが知りたい情報が、すぐ目の前にいる由奈が知っている。