仮面王子とのメモワール



よく通るその声は、周りからの注目を集める。


ブンブンと手を振りながら駆け寄ってきたのは、シュウちゃんだった。


「よぉ。唄たちも来てたんだな」

「うん……って、シュウちゃん声大きいよ」

「あは、マジ?」


悪い悪いと言いながらも、シュウちゃんは笑っている。


「つか、私服久々に見た。可愛いな」

「な……っ!」

「あはは、出たよ樋山のド直球ストレート」


不意をつかれて、つい顔が熱くなる。


思わず未央の後ろに隠れると、案の定未央にケラケラと笑われた。


……あーもう、本当に。

シュウちゃんのそういうところは未だに慣れることはできない。



「ボーリング、まだだろ?一緒にやろーぜ」


シュウちゃんはニッと笑ってそう言うと、近くにいた同じクラスの山田くんを誘って4人でやることになった。