「……え、なに?」

「なんか唄、顔色悪くね?」

「え?」


唐突にそんなことを言われて、目を丸くした。


ひんやりとしたシュウちゃんの手が、額に触れる。


「熱……は、ないか」

「ちょ、ちょっとシュウちゃん……っ!?」


不意な至近距離に顔が熱くなる。


思わずその手を掴んだ。


視界の端で、彼がこちらを見ていたような気がしたけれど、たぶんそれは私の自意識過剰。



「具合悪い?」

「う、ううん!全然元気だよ!」


そう言ってにっこり笑うけれど、シュウちゃんはどこか納得のいかない顔。


ごめんね、シュウちゃん。

本当に具合は悪くないんだよ。


ただ、ちょっと、動揺が隠せないだけ。

頭が混乱してる、だけ。