「みんな久しぶり。先週こっちに戻って来れたんだよ。改めて、またよろしく」


爽やかに笑う彼に、元同級生たちは「変わってないな」と嬉しそうに笑う。


人当たりのいい、優しいところ。……ほんっと、変わってないね。



「……何にも知らないくせに」

未央が、ぼそっと呟いた。



「えーなになに?アイツただの転校生じゃないの?」

ふと、私の真後ろから声が聞こえた。


「あ、シュウちゃん」

「はよー、唄」


ひょっこりと顔を見せたのは、1年生から同じクラスで仲良くしている樋山柊汰(ひやましゅうた)。


シュウちゃんは私たちとは違う中学だったから、もちろん彼のことを知るはずもない。


「そ。あたしらと同じ中学だったの。中3のとき転校して行ったから、だいたい2年振りってとこかな」

「へぇ〜」


代わりに説明してくれた未央に相槌を打ちながら、シュウちゃんは私の顔を覗き込む。