「へぇ〜。つまりは"完璧な王子様"ってわけだ」

「何よ、樋山。羨ましいわけ?」


ニヤリと笑う未央に対して「んなわけねぇだろ」と冷静に返すシュウちゃん。


かと思えば、不意に手がこちらへと伸びてきて、ポンと頭を撫でられた。



「オレは、唄にだけ好かれてりゃあとはどうでもいいよ」


な?と。

そのまま顔を覗き込んでニッと笑いかけてくるシュウちゃんは本当にズルい。


あまりにも不意なそのセリフに、顔がどんどん熱くなるのがわかった。


「な、な……っ」

「あー、唄照れてる〜」

「ちょ、未央っ!」


熱くなっていく頬を未央に気づかれて、パタパタと手で仰ぐ。