走り続けること約5分。

病院に着き、翔太の病室へと向かう。

ドアを開けるとそこにはベッドに寝ている翔太がいた。

おじさんとおばさんもベットの向かい側にいた。

まだ、意識はあるらしい。

よかった、会えた。

でも、危篤状態であることには変わりない。

翔太の元へ駆け寄り、翔太の手を握った。

「なんで、話してくれなかったの?
 もっと早く話してくれればよかったじゃ
 ん!
 1人で勝手に決めるとこは全く変わってな
 い
 翔太に言いたいこともっとたくさんあった
 んだよ
 ほんとは今日翔太のことが好きだって伝え
 ようとしてたのに
 こんなお別れ嫌だよ」

翔太に話しかけていると自然と涙がこぼれ落ちた。

その涙が翔太の手の上に落ちた時、翔太が私の手を握り返した。

「翔太…
 おじさんだって、おばさんだって、隼翔く
 んだって、私だって翔太ともっと一緒にい
 たかったんだよ
 翔太には言いたいことが多すぎて言い切れ
 ないから、今からはおじさんとおばさん、
 隼翔くんの言葉をしっかり聞いてね」

そう言うと私が握ってる方と反対の手を握って、翔太に話しかけていた。