「じゃ、戻るからタイミング見計らってあんたも戻って来なね」

「ん、ありがとう希穂ちゃん」


再び背を向け、扉に手をかける


「仮病を心配して損したけどね」

そう言って、保健室から出た


「はぁ…ほんとに調子狂う…」


ずっとかけっぱなしだったメガネを取って、手のひらで目を覆う

深呼吸して落ち着いてから教室に戻った



*────────*

「はぁ、あっぶねぇ…」


大きく息を吐き、ベッドに深く腰掛ける

あれ以上一緒にいたら間違いなく手を出していた


マジで難攻不落だな…


本気の通じない彼女をどうしたら手に入れられるか考えを巡らせた


絶対手に入れる

口の端を上げ、そう笑った