「梨桜、迷惑かかってるの
一旦黙れ」

私の手を掴んできた手を引き返し、耳元で囁く


整った顔が一気に真っ青になり、すたっと空いていた椅子に腰掛ける


「まったく…」

2人が黙ったことでクラスの静かさが浮き立つ


腕を組み、口を噤む梨桜に目を向ける


「萊になに吹き込まれたの」

「吹き込まれたって人聞きの悪い…」


横目に不機嫌そうな内田界人が映っているが無視をしている

かまうと碌なことにならない


「事実でしょ?梨桜」

「萊がぁ、希穂が変な男につきまとわれてる、ってー」

「……なんで私の周りって変人だらけなんだろ…」