「ちょっ…」

「希穂、こいつ誰」

「………難しい質問…」


こちらを見ずに問いかけられ、唇をとがせて答える


誰……名前を言えば、いいのかな?


「希穂ちゃんは俺の婚約者だよ」

「「は?ありえねぇ」」


見事なハモりにそいつは目を丸くした

こんなのよくあることだ────



「希穂がお前の婚約者?
笑わせんな、希穂は俺の婚約……ぃてっ…!」

「萊?」