「………時間遅れて希穂が怒られても困るからな」


「なんで上からかなー、じゃあ行ってきます」


「ん」


不服そうな萊に背を向け、家を出る


出てすぐ目に入るのが


「や、希穂ちゃん」

この男



「…………おはよ」


ふい、と顔を背け、小さく漏らす



「……………そういえば希穂ちゃんの私服初めて見た」

「その辺の女子みたいにおしゃれじゃなくてすみません」


目を大きくする男になんだかこそばゆくなり、ぼそっと呟く



「え?何言ってるの?世界で一番可愛いでしょ」


真顔でからかうつもりも全くないようすでそういわれ、思わず目を見開く



…なんなのよ………

なぜだか、顔に熱が集まってきて、思い切りそらす