この人は、学校が終わり、帰ろうとする私を無言でついてきた そして、周りを視線を気にもとめず声をかけてきたのだ 逃げるように早足で歩いたのに、まだついてくる始末 だから、ストーカーのようについてこられるよりはマシだと 歩調を緩めると、嬉しそうに隣に並んできたのだ 「あのさ」 「ねぇ希穂ちゃん」 「なに」 「俺、希穂ちゃんに名前で呼ばれたい」 だめ?と首を傾けるこいつ 「あ、そう」 それに素っ気なく言葉を返すと、がくっと首を折った