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「へぇ、あの子が希穂ちゃん、ねぇ」

「兄貴?」



リビングに行くと、ペットボトルをもつ兄貴が呟いた



その、懐かしいものを思い出すような表情に首を貸しげた
 


「そっか、あんまり暴走するなよ界人」


「分かってるよ、そんなの………してない、つもり」

「自覚してるんじゃん、」


眉を下げた兄の言葉に歯切れ悪く頷いた


分かっているが、どうしても希穂ちゃんの前だと言葉がするする出てきてしまう



「全く……………彼女?」

「違う、堕としてる途中…」



「そっか」


爽やかに笑う兄貴の心など読めず、首をかしげた



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(堕としてる途中、ねぇ………)


綾世は楽しげに唇を緩めた


兄なら、弟の幸せの手伝いをしないとね