入学初日にプロポーズされました


「………希穂ちゃんさ」

「?」


ふ、と破顔して口を開いた男に首をかしげる


「何でもない、本当に」

「……ねぇ」

「なに?」


眠そうに顔を腕にうずめる男に呼びかける


「………あ、鍵忘れたとか?」


小さく呟くようにして呟くとピクリと反応した


え、分かりやす


「……そんなわけないじゃん」

「ふ………」


目を逸らして呟く男に唇が緩む

こんなに分かりやすいなんて知らなかった


「分かりやすすぎ」


「………な、んのことかわからない」