「何その声、可愛すぎ」 けど、そんな声も表情も一瞬で引っこんでいつものようになる その言葉に自分の口を塞ぐ 「けど、本気だよ?」 私の行動に嬉しそうに目を細めた男は私の頬にすっと触れてきた 逃げたくても後ろは壁だから顔を背けるだけに止まる 「っ……触るなっ」 「照れてる?」 「…照れてない」 即答────出来なかった 照れたわけじゃないけど、声が咄嗟に出てこなくて 絶対、さっきの言葉がまだ心に残っているから 「なんか一瞬間があった、照れてる?ね」