確かに、25にはなったものの、まさか本気で結婚しようと思っては居ないだろう。

果たして、友也がどう出てくるか、私は少し構えていた。

料理はとても美味しく、満腹になった頃、

「美味しかった?」

無邪気に尋ねられ、

「うん、とてもね。ご馳走さまでした」

「じゃあ、行こうか」

行く?帰るのではなく?

頭の中をクエスチョンマークが飛び交うものの、ついて行くことに。


着いたのは、33階にある、東京タワーが目の前に広がるバーだった。

友也と飲みに行くときは、大抵は居酒屋ばかりだったので、こんな高級感のあるバーなんて初めてだ。