あなたの笑顔が好きだから。






「ほんじゃ芽依、またね〜」

「気をつけて帰りなね」


最寄り駅についた私たちは、家の方向がそれぞれ別々ということで、そのまま解散することになった。

今日3人揃って遊べたのが嬉しくて、余韻に浸りながら自宅へと向かう途中で、杏子ちゃんの言葉が脳裏に過ぎる。



──『───…椎名つぼみと雰囲気?顔?が似てるな〜って……』



"似ている"か…。


「……家帰ったらひとりぼっちだ…」


家、帰りたくないな…。


小さい頃から慣れているはずなのに、1人でいる時間は心の中にぽっかりと穴があいているみたいでむなしい気持ちになる。

深いため息をついた後、私は大型ショッピングセンターへと足を運んだ。

ぶらぶらと雑貨屋や服などを見て回ったが、特に買いたいものはなかった。

私は一体、1人で何をしているのだろう…と、我に返る。

そして、ふと気がついた時には、おもちゃ売り場へとたどり着いていた。

最近の女児アニメや特撮もののおもちゃが陳列されていて、なんだか懐かしい思い出が蘇ってくる。