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「いやぁ……良かった。めっちゃ良かった…っ!!」
「確かに、キャストは豪華ですごく良かった。でも、内容はただの少女漫画の王道って感じで微妙だった」
「瑠璃ってば、マジで冷めてるよね…」
「冷めてるも何も、設定が意味わからんのよ。27歳の独身OLが道端に寝そべっている17歳の男子高校生を拾ったら、実はヤクザの若頭でその後2人は恋に落ちて結ばれるとか、無理がありすぎると思う」
「ちょいちょいっ!!わたしのイチオシ漫画にボロクソ言わないでくれます!?」
「原作の絵柄は可愛いとは思ったよ。でもヒーロー役の人、本業がアイドルだから仕方ないけど、演技めっちゃ棒読みだったね」
「ちょっと瑠璃黙ろうか!?」
映画を見終わった私たちは、現在、駅のホームのベンチに座りながら、電車が来るのを待ちつつ、先程見ていた映画について感想を言い合っていた。
「めい〜〜〜っ、瑠璃がひどい〜〜〜っ…!!」
杏子ちゃんが私の肩にもたれかかってきたので、よしよしと頭を撫でた。
「私は面白かったよ」
「芽依〜〜〜っ!!!ちゅき!!!」
「こら芽依、杏子を甘やかすんじゃない」
「う、嘘はついてないよ!?」



