「何なの、玲太くん!めっちゃムカつく!!」
会計を済ました私たちは、喫茶店を後にして、映画館へと向かっていた。
そして杏子ちゃんは、小学生の頃の玲太くんの発言に対して激怒していた。
「女子に『ブス』とか言う男は論外だよ!無視しときな、あんなやつ!!」
「もう昔の話だし、気にしてないよ。でも、玲太くんが本当のこと言ってくれたから、今も私はちゃんと現実見れてるんだもん…。むしろ感謝だよ」
「なんか違う気がするけど!!芽依、かわいいじゃん!!わたし、入学式の時、芽依のこと一目惚れして話しかけたんだけど!!」
初耳だなぁ…と思いつつ、「そ、そうなんだ…」と返事をする。
「杏子、うるさいんだけど。玲太くんのことはもういいじゃん。……つーか、あんたが見たいって言ってた映画今から見に行くんだから機嫌直しなさいよ」
「いや、言ったけど!言いましたけども!だってさあ!?なんか…なんか腹立つじゃん!!」
「だからもういいって」
納得のいかない杏子ちゃんに呆れた表情を向ける瑠璃ちゃん。
2人の言い合いにクスッと笑みを浮かべながら、私たちは映画館へと到着した。



