あなたの笑顔が好きだから。


その写真は、遊園地らしき背景が写り込んでおり、思い出としてみんなで集合写真を撮ったのだろうか。

どこかで見たことはある気がするが、この女の人たち、少し距離が近すぎやしないか。

ムッとしながらインスタに投稿されている写真と睨めっこをする。


「かわいい系ときれい系の女の人が写ってるけど、深森先輩の友達かなぁ?」

「もしかしたら、どっちかが本命の可能性だったり……なわけない、よね…」

「……」


"本命"と聞いて、ずっしりと上からのしかかられるような感覚に陥った。

どんよりとした雰囲気を醸し出す私に、2人はハッとして「だ、大丈夫だって…!」と元気づけてくれた。


「深森先輩、普通にいい人だったし!わたしはいけると思うよ…!?」

「あの先輩が毎時間、風邪ひいた芽依の様子見に来てくれてたの、あたしすごい見直したっていうか…!そう!いい人だったよね…!?」

「……」


深いため息をつき、がっくり肩を落とした。

そんな私を見た瑠璃ちゃんたちは、申し訳なさそうな表情をして、黙り込んだ。


「……先輩が見惚れるくらいの女性になりたいな…」


膝の上で両手の拳を握りしめて呟くと、2人は「絶対なれる!!」と声を揃えて励ましてくれた。