あなたの笑顔が好きだから。


何か言っていた気がしたけど、なんだっけ。

夏休み前に日山先輩がイライラしている……みたいなことを言っていたような…。

だめだ、思い出せない。


「……ってか、芽依はどうなの?深森先輩といい感じなんじゃなかったっけ?」

「いい感じ……ではない、かな……」


良いも何も、連絡先を交換すればよかったと後悔を胸に抱き、今に至るが、そもそも先輩には恋愛対象として見られているかどうかもわからない。

以前、私は先輩のタイプに入っていると言ってくれたけど、あの言葉は気遣いからなのか、それとも───…。


「連絡先、交換してなかったんだっけ?SNSは?ああいうチャラい人ってインスタやってそうなイメージなんだけど」

「あたし、同じ部活の先輩に聞いてみたけど、フォローしてないって言ってたよ。 ……あっ、そうだ。2人ともこれ見て」


瑠璃ちゃんが見えやすいよう私たちの方にスマホを置いてくれて、そのまま杏子ちゃんと一緒に画面を覗き込んだ。


「あっ!日山先輩が写ってる!深森先輩もいるし、他にも2年のバスケ部の人たちもいるじゃん!」


「何、この謎のメンバー!」と、楽しそうに話している杏子ちゃんとは反対に、私は真ちゃん先輩の近くに写っている女の人2人が視界に入った。