…やはり、間違いない。

ニコニコ笑顔で美人な方々と話している人は、私が一目惚れした彼だ。

"シンシン"って呼ばれてるけど、本名は何だろう?


───それにしても、制服の着崩し方がかっこいい…。


オーバーサイズで、だぼっとしたグレーのスウェットをワイシャツの上から着ていて、かっこいいのに可愛さも兼ねていて、何というか……すごくおしゃれ。

上靴の色からして緑のラインが入っているから学年は私より1個上───…ということは、先輩だ。


どうしよう、運命じゃん。

初恋の人が同じ学校にいるなんて…。

嬉しすぎる、今すぐ杏子ちゃんと瑠璃ちゃんに報告せねば…!


「お嬢ちゃんこんなとこで何やってんの〜?お姉さんたちに何か用事〜?」

「!?」


反射的に声がする方へ視線を向けると、ナイスバディなお姉さんがニコニコしながら私に話しかけているではないか。


「あーっ!ユウカ遅〜い。オレンジジュース買いに行くのに何時間かかってんの〜!」

「学食に置いてある自販機めっちゃ混んでんだもん。仕方ないじゃ〜ん」

「他のとこいけよ〜」


"シンシン"という人を囲んでいた女の人たちがぞろぞろユウカさんと呼ばれた人の元へやって来る。