先輩は「こんにちは〜」と返した後、横にいる玲太くんに視線を移す。
「…萩ちゃんの友達?」
「あっ、はい。玲太くんです」
「へーっ、りょうたくん。……ん?"りょうたくん"?」
難しそうな顔で先輩に見つめられているにも関わらず、玲太くんは「どうも」と軽く会釈している。
先輩に凝視されるなんて、玲太くんずるい。
心が狭くなっているのか、玲太くんにまで嫉妬してしまう。
ムッとしながら玲太くんを見上げていると、怪訝な表情を向けられた。
「わーちゃん、ジュース買うのついて来て〜?」
「えっ、めんどい」
「おねがい♡」
日山先輩は、ため息をついてスマホを制服のポケットにしまった。
「芽依、りょーたろす、じゃあな〜。良い夏休みを〜」
麻弥くんが日山先輩を無理やり引っ張りながら立ち去って行く。
どうして真ちゃん先輩を残していくのだろう…と、疑問を抱きつつ、2人を見送った。
「……えーっと、萩ちゃん」
「は、はい…っ」
気まずそうな声色で名前を呼ばれた。
先輩は苦笑いをしていて、口を開いたり閉じたり、パクパク動かしている。



