あなたの笑顔が好きだから。


ああ言えばこう言う。

売り言葉に買い言葉。

玲太くんと会話を交わすと、いつもキリがない言い争いが始まるが、結局、私が負けて何も言えなくなる状態で口喧嘩は終了する。

唇を尖らせながら不機嫌になっていると、遠くの方から麻弥くんの姿が見えた。

麻弥くんも私たちに気づいて、「おーい!」と大きく手を振っている。


「めーいー!……あっ、りょーたろすもいるー!!」


笑顔で手を振る麻弥くんをじっと目を凝らしながら足を進めていると、彼の後ろに2人の男子生徒が視界に入った。

どうやら麻弥くん1人ではないようだ。

それに、あの2人のシルエットにどこか見覚えがある。


「ほらほら真くん、芽依来たよ!」

「ちょっ、そんな大きな声で言わなくてもちゃんと見えてるから…」


咄嗟に「あっ!」と口に出してしまう。

遠くからでも、すぐにわかった。

今、麻弥くんと一緒にいるあの2人は、真ちゃん先輩と日山先輩だ。


「こ、こんにちは…!」


先程まで玲太くんに対して不満が溜まっていたけれど、真ちゃん先輩に会えた瞬間、イライラしていた気持ちが一瞬でどこかに消え去った。