──『もう入ってるよ』
先輩の優しい声色が脳内に響いて、鳩尾辺りがきゅうっ…と苦しくなっていく。
嬉しすぎて頬が緩んでいき、ニヤニヤしているのをバレないように両手で口元を隠した。
「私、もっとがんばります…」
お互いニコニコ微笑み合っていると、後ろの方から「…チッ」と誰かが舌打ちをしたのが聞こえた。
振り返ると、眉間にしわを寄せて、ピリピリとした雰囲気を醸し出している日山先輩が腕を組み、扉にもたれながら立っていた。
「……深森、お前、いつまでそのガキとイチャイチャしてんだよ」
地を這うような低い声で真ちゃん先輩に話しかけており、不機嫌全開の日山先輩に思わず「すみません…!!」と頭を下げる。
"ガキ"と言われて、学年が一つ違うだけじゃないか、と言いたかったけれど、身長差からして、日山先輩から見る私は、本当に子どもに見えているのかもしれない。
「ちょっと永遠くーん。萩ちゃんの前でなんて態度とってんの〜?思いっきり素出てるじゃん」
真ちゃん先輩が「ごめんね♡」と、慣れた素振りで可愛く謝罪をするも、日山先輩は、げんなりした表情で「ゲボ吐きそう」と文句をこぼす。



