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そして今に至る────。
「…ねー、萩ちゃん」
「? はいっ」
先輩は、紙袋をじっと見つめた状態で、ゆっくり口を開く。
「萩ちゃんがおれのセーター着てる姿、実際に見たいんだけど……」
「だめ?」と上目遣いで可愛らしく首を傾げる仕草にドキッと心臓が大きく飛び跳ねた。
「だいぶ前になっちゃったけど、約束したじゃん。『上着借りる時は、おれのだけ着て』って…」
確かに、約束はしていた。
──『今度おれもパーカーかスウェット貸すからさ。次からはおれのだけ着てくんない?』
そう言って、先輩は困ったように眉をハの字に下げて、私の手を優しく握っていたのを今でも覚えている。
『だいぶ前』と、先輩は言っていたけど、2ヶ月前のことだ。
「ほんとはさ、おれもパーカーにしたかったんだけど、ちょうど持ってなかったんだよね〜」
口を尖らせながら、ズボッとセーターを私の頭に被せてきて、びっくりした拍子に「もがっ…」と女の子らしくない悲鳴を上げてしまう。
「せっかく洗濯したのに……」
「いーのいーの。なんならこのセーター、萩ちゃんのにしていいよ?」



