あなたの笑顔が好きだから。







「ぬるくなってしまって、本当にごめんなさい。あと、先輩との約束を破り、体調を崩したにも関わらず、多大なご迷惑をおかけして大変申し訳ござ──…」

「いただきまーす」

「せ、先輩!話を聞いてください!」


授業などで何も使われていない空き教室に移動した私たち。

先輩がゼリーの蓋を開けている最中に、椅子の上で土下座しながら謝罪をしていたのだが、先輩は耳を傾けてくれなかった。


「だからそういうのいいって〜。萩ちゃんは律儀だね〜」

「先輩はよくても、私が納得いきません!……あのっ、今度はもう少し上等なものを買ってきますので、その、時間はかかるんですけど──…」

「はい、萩ちゃんあーん♡」

「もごっ…!?」


突然、口の中にゼリーが入ってきて、咳き込みそうになった。

甘い、ぶどうの味が口いっぱいに広がる。


「おいしい?」

「……ウッス」


頬杖をついて、顔を覗き込みながら聞いてくる先輩にコクコクと何度も頷く。


「萩ちゃん、お礼とかお詫びとか、そんなに気負わなくていいからさ。またこうやって、美味しいもの、おれと一緒に食べよ?」