そういえば、日山先輩が『購買部に行っている』と聞いたような…。
日山先輩が急に目の前に現れたものだから、緊張のあまり、先程、あの先輩とどんな会話をしたのか、いまいち思い出せない。
「でも、久しぶりに会えてよかった〜。おれね、萩ちゃんにこれ渡したくてさ〜」
そう言った先輩の手の平には、なんと、ぶどうゼリーが乗せられていた。
びっくりして、じーっとそれを凝視する。
「萩ちゃんさ、この前、食堂でぶどうゼリー食べてたでしょ?さっき購買部行ったら、ゼリーが目に入ったんだよね。その瞬間、萩ちゃんが頭に思い浮かんじゃって…。それで、なんか気がついたらこのゼリー買ってた!せっかくだし、萩ちゃんにあげる」
「あっ、えっ、あ、ありがとうございます…!」
私が食べてたの、覚えてくれてたんだ…。
些細なことで嬉しくなってしまい、頬が緩みそうになる。
「あの、じ、実は私も先輩に渡したい物があって……」
両手でゼリーを持ち、先輩の前に差し出した。
恐る恐る先輩の反応を窺うと、またもや驚いた表情をしていて。
「えーっ!?萩ちゃんもぶどうゼリー買ってたの!?」
「はっ、はい…」
「マジか〜!なんだ、おれら同じこと考えてたんだ〜!」



